インタビュー|「世の中のママを応援していきたい!」という思いがあふれた。 自分の経験の集大成となった、バレトンとの出合い〜 吉田理紗子さん


「世の中のママを応援していきたい!」という思いがあふれた。
自分の経験の集大成となった、バレトンとの出合い

Balleton Beauty Exercise主宰/吉田 理紗子さん

理紗子さんは、小学生の女の子二人のママ。総合商社の営業事務職として4年勤めたのち結婚。その後すぐ夫のインド駐在が決まったことで退職し、渡印する。帰国後すぐ出産、子育てという慌ただしいライフスタイルの変化をこなし、現在は、前職とは全く違うインストラクターという仕事に転身。自身の経験から、子育て中の行動が制限されることの不自由さと、リフレッシュの場の必要性を感じ、ママたちの「いつまでも美しくありたい」という思いを叶えるべく、子連れママでも楽しめるバレトン(バレエとフィットネス、ヨガを融合したエクササイズ)「Balleton Beauty Exercise」を主宰しています。
人生の転機がどのように訪れ、どんな変化があったのか、また今後やりたいことについて伺いました。


専業主婦からフリーランスへ 積み上げてきた経験が仕事選びの鍵に

― あなたにとっての人生の転機は?

「バレトン」との出合いです。

結婚前に新卒で入社した総合商社での営業事務職では、残業も少なくなく、毎日会社と家の往復でした。そこから、結婚、退職後は夫のインド駐在へ同行。インド生活に慣れ始めたころに妊娠が判明。帰国後は出産、育児……とめまぐるしく環境が変化していきました。

出産後は、近所に同い年の子どもを持つ専業主婦のママ友が多かったため、毎日他愛ないおしゃべりをするために集まったり、一緒におでかけしたり、ホームパーティーしたりと、専業主婦ライフを満喫していました。一方で「このまま、ただ毎日を過ごす生活で良いのだろうか」という漠然とした思いは、常に心の中にありました。

そんな中、一緒に専業主婦ライフを楽しんでいたママ友が子どもの幼稚園入園を機に、自ら事業を起こしたり、新たに働き始めたり、積極的に自分の環境を変えていくようになりました。当時次女の幼稚園入園を翌年に控えていた私は、1年後の自分の姿さえ見えず、ますます今後の不安が強くなっていました。ママ友の変化を目の当たりにして初めて、漠然と感じていた不安と本気で向き合うようになりました。

今後のことを考えたはじめたとき、「できるだけ子どもたちのそばにいること」を大事にしたいという思いから、フリーランスという働き方を意識していました。その上で「自分の好きなものを整理し、かつそれを活かすことができる」という軸で、仕事選びをすることにしました。

軸に沿って、まずは自分の“やりたいこと”に向き合って整理することから始めました。人に喜んでもらえることに幸せを感じること。体を動かすのが好きであること。学生時代から習い始めたバレエを継続していたこと。インドにいる間も現地のバレエ教室に日本人一人で通うほど、バレエが好きだったこと。インドで初めて本場のヨガに触れ、その奥深さを学んだこと。これらの経験や自分の思いを活かせるものは何か――そう考え何気なくインターネットで「バレエ」「ヨガ」というキーワードを入れて検索していた結果、「バレトン」と運命的な出合いを果たしました。

バレトンは「バレエの要素にヨガやフィットネスの要素を加えたエクササイズ(※)」。これこそまさに、私の経験を活かせるものではないか!と衝撃を受けたのを覚えています。

そしてそのとき同時に心に浮かんできたのが、自らが感じていた子育て中のママの不自由さ。小さな子どものいるママが行動できる範囲の狭さ、リフレッシュする場の少なさと、その必要性。それらの問題を解消できなかったために、私自身が毎日の子育てに余裕がなく、狭い世界でただただ毎日を過ごすのみだったという過去。そんな経験があったからこそ、私はこの「バレトン」を仕事にしたいと思った時、子育てママ向けのバレトンを開催しよう!と決意しました。

「ママも、ママである前に一人の女性。自分自身のことも大切にして、いつも笑顔でいて欲しい。いつまでも心身ともに健やかで美しくあって欲しい」

これが私の願い。そしてバレトンを通じて、その手助けをしたい!と考えるようになりました。

※バレトンは、舞踊のバレエからきた「バレ」と筋肉を整えるという意味の「トン」を合わせた造語。バレトンには3つの種類がありますが、ここでは日本で一番流通している「ソール・シンセシス(フィットネス&バレエ&ヨガの3つの要素を融合した、新感覚のエクササイズ)」のことを指します。

「自分軸」を持ったことで再認識した 子供への愛

― その後、どんなことが変わりましたか?

「子ども軸」で動く生活から、子どもとの時間を大切にしながらも、「自分軸」と両立させる生活へと変わりました。

バレトンの資格を取得するためには、3日間の養成講座を受講し、学科試験・実技試験に合格しなくてはなりません。朝から夕方まで講習。もちろん当時は子連れでの受講はNG(現在は子連れでの受講が可能なところもあります)。実家が遠方だった上、夫は仕事で忙しかったので、講習のある日は近所のママ友に子ども2人を預かってもらいました。朝出かける前に子どもをママ友の家に送り、その足で講習に向かう。講習が終わった後は子ども達を迎えに行ってから帰宅し、その後はママ業。「復習をしたい」と焦る気持ちが子どもたちに伝わってしまったのかもしれません……。珍しく夜泣きもあり、ほとんど眠れない毎日でした。そして講習終了後に受験した試験は、学科はなんとか合格。しかし実技は、圧倒的な練習不足で不合格という結果に。

それから一ヶ月、夜子どもが寝た後に実技の練習を繰り返した結果、無事に実技の再試験に合格。バレトンインストラクターの資格を取得することができました。

しかし、実際にインストラクター資格を取得したところで、次へのステップに行くまでがまた試練。組織に属していないので、受け身では何も始まりません。自分自身が動き出さなければ、このインストラクター資格も何の意味もないんです。
レッスンを行うための場所の確保、お客様を呼び込むための営業活動、自分自身の技術向上……やるべきことは沢山ありました。インストラクターとしての経験さえない私は、まだ入園前の次女を連れて、ママ友相手に練習に付き合ってもらっていました。また次女を連れて遊びに行く先でレッスン開催する場所を探したり、チラシの掲載のお願いをしたり。ママ友ネットワークでバレトンを広めてもらうこともありました。

振り返ってみると、バレトンと出合う前の専業主婦の頃は、時間が許す限り子どもたちのために動いていました。しかしバレトンと出合ったことで、子どものためだけに時間を費やすのではなく、自分のための時間も大切にするようになりました。そうすることで、今まで以上に子どもと過ごす時間を大切にしたい、と思うようになりました。バレトンの活動が軌道に乗った現在は、「午前はレッスン」、「午後は事務作業」、「子どもの帰宅後は、子どもと向き合う時間」といったメリハリのある生活を送っています。

不思議なもので、私自身に自分の時間ができると、今度は自然と子どもたちに対してもゆとりをもって接することができるようになりました。愛情は、量より質なのかもしれません。

もちろん子どもとの時間は大切にする必要はありますが、「子ども軸」だけで動いていた頃は、思うようにならないことにいら立ちを覚え、結果的にそのいら立ちが子どもに嫌な思いをさせることもあったように感じます。バレトンとの出合いを通して、一人の人間として、「自分軸」を持って行動することの大切さ、意味を知ることができました。

一人でも多くの女性が輝けるように、応援していきたい

― これから、やってみたいことはありますか?

バレトンに限らず、女性たちがより快適な日常生活を送るためのサポート、子育てママが輝ける毎日を過ごすためのサポートをしていけたら、と思っています。

レッスンに参加してくださる方の中には、「久しぶりに体を動かしてすっきりした」「肩こりが楽になった」と満足して帰っていく方も少なくありません。その一方で、慢性的な肩こりや腰痛など身体の悩みを相談されることがあります。実際レッスンをしていると、人それぞれ動きや姿勢に癖があり、それによって身体の不調へと繋がっていっているのではないか、と思うことがあります。

レッスンに参加してくださる方々が少しでも快適な日常生活を送れるように、身体の仕組みや女性らしくしなやかな身体になるためのストレッチやマッサージ法を学んでいきたいと思っています。

また「子どもを連れて体を動かせることがありがたい」と言われることが多々あります。私自身がそうだったように、子育て中のママはまだまだ、制限されることが少なくないように思います。一人でも多くの子育て中のママが、毎日を笑顔で過ごせるように、また心身が健康であるように、さらには一人の女性として輝けるように。そんな場所や機会をもっとつくっていけたらいいなと考えています。現在その一環として、現在「子育てママを応援したい」と考えるBright One谷口さんと出会い、子育てママのための活動も行っています。今後は多方面から、より多くの子育てママの応援をしていきたい、と思っています。

― ママたちへのメッセージをお願いします。

ママも自分の時間を大切にしてほしいです。

私の場合は自分自身の生真面目な性格から、子どもを持ったことで「母親としてちゃんと子育てしなくては」という意識が生まれて、必死で子どもに向き合ってきました。いつも笑顔でいたいのに、「ちゃんと○○させなきゃ」という意識ばかり働いて、勝手に自分の時間を子どもに費やし、その結果心の余裕が持てず、子どもに嫌な思いをさせてしまうことも多々ありました。
ママも一人の人間です。子どもができてもそれは変わりません。一人の人間として自分の時間を大切にしていってほしいです。ママの笑顔がもたらす家族への影響は、とても大きいですよ。

(「おすすめポーズは?」を聞いてみたところ、膝裏を伸ばすポーズを教えてくれました。ふくらはぎは”第二の心臓”ともいわれているそうです。意識的に膝を伸ばすストレッチをして、いつまでも健康的な女性でありたいですね!)

わたしと街のつながり

この街とのかかわりは?
結婚前、運動好きな夫にデートで連れてきてもらったのが、今住んでいる街にある大きな公園。それ以降、夫婦でこの街を気に入り、海外駐在から帰国してから10年住み続けている。

この街の好きなところ
街が洗練されている。自然が多く、道路も広く、子どもを育てやすい。

おすすめのスポット
「辰巳の森緑道公園」の桜並木。一本道の両脇に咲きみだれる桜は圧巻!桜のシーズンは毎週末のようにお花見に行きます!
わたしの子育て

わたしの家族
夫と、11歳と7歳の2人の女の子。※2021年1月時点
長女は、論理的な考え方ができる一方、細やかな気遣いができる女の子。次女は、可愛いものが大好きな心優しい女の子。


子育てで大切にしていること
何事も当たり前と思わず、子どもたちが毎日元気に笑顔で過ごしてくれていることに感謝すること。子どもの話をしっかりと聞くこと。
子育て生活での失敗談
小さい頃からの習慣が大事だと意識しすぎて、「子どもは〇時になったら寝かせなきゃ」と思い込んでいた。そんな中、布団に入ってもなかなか寝ない長女に「早く寝なさい!」と声を掛けたところ、「寝たくても寝られないんだよー!」と言われた。ルールにとらわれるよりも、子どもの話を聞いて気持ちに寄り添ってあげることの方が大切なんだ、と気づくきっかけとなった。

 

■ 経歴 ■ 吉田 理紗子(よしだ りさこ)さん
大学卒業後、総合商社の営業事務職として入社。結婚と同時に夫のインド駐在が決まり退職、2年間の渡印。帰国後すぐに第一子を出産。その後、育児や第二子の出産と続き、自分自身の今後について考え始めた時に出合った「バレトン」に魅了され、インストラクター資格を取得。現在は、子ども連れでも参加できる「Balleton Beauty Exercise」を主宰。江東区内の幼稚園や児童館での委託業務の他、中央区・江東区でレッスンを開催。抱っこ紐をつけたまま行う抱っこヨガ「ハグヨガ」を広める「ハグアンバサダー」も務める。一方で、当サイトを運営する株式会社Bright oneにて子育て世代に向けた情報発信に携わっている。

Balleton Beauty Exercise

 

―編集後記―

背筋がピンと伸び、凛とした立ち振る舞いと、とても謙虚な人柄のギャップが魅力的な理紗子さん。「好きなことを仕事にする!」と一度決めたら、自信を持って突き進んでいく芯のある姿勢が印象的でした。自分の中の「好き」が大きな財産になると信じて、やりたいことを「ママだから」「子育て中だから」と諦めずに、周囲の協力を得ながら“まず一歩”踏み出すことが大切なのだと感じました!