インタビュー|転職して3ヶ月で妊娠判明。生活が一変する中、 大切な家族のために「変えたこと」と「変わらなかったこと」〜 山下 夏子さん

転職して3ヶ月で妊娠判明。生活が一変する中、
大切な家族のために「変えたこと」と「変わらなかったこと」

会社員/山下 夏子さん

夏子さんは、5歳の男の子のママ。スポーツマーケティングのベンチャー企業から、さらにチャレンジングな仕事をするために転職。飲食業界の経営企画職で働き始めて3ヶ月後に、妊娠が判明します。20代での突然の妊娠・出産という大きな転機を経て、現在は、大好きな仕事と大切な家族とのバランスを見事に保っています。人生の転機にどう向き合い、どんな変化があったのか、また今後やりたいことについて伺いました。

プライベートまで仕事に捧げていた日々が、子どもを授かったことで一変

― あなたにとっての人生の転機は?

2014年に飲食業界に転職して、3ヶ月後に妊娠が判明し、子どもを授かったことです。

妊娠前の自分の生活を振り返ると、まさに仕事漬け。仕事が楽しくて楽しくて、夜中の2時頃まで働いている日もありました。プライベートも仕事に費やしたり、仕事仲間や取引先と飲みニケーションしたりで、家には寝に帰る程度(笑)。当時、未婚で実家暮らしだった私は、家族に家事をしてもらっていたお陰で24時間をまるまる自分のために使うことができました。そして、ベンチャーのスポーツマーケティング会社から、新しいことにチャレンジしたくてプロントコーポレーションへ転職。経営企画として、インバウンド(訪日外国人観光客)向けの取り組みや、新規事業など、様々なことに「さぁチャレンジするぞ!」という時に、妊娠が判明しました。

その頃20代だった私は子育てなんて想像もしておらず、まさに思いがけず訪れた人生の転機でした。仕事上の大事な時期で、沢山の方にご迷惑をおかけてしまったのですが、柔軟に対応してくれた会社には本当に感謝しています。

その年、生活は劇的に変わりました。8月に妊娠判明、9月に入籍、11月に自宅購入、翌年4月に新居へ引っ越し&出産、10月には6ヶ月の息子を夫が抱えて結婚式を挙げました。約1年の間にライフイベントが目白押しで、私自身もビックリです(笑)。

 

自分中心の生活が一変、ペースを掴んでから自分を取り戻せた

― その後、どんなことが変わりましたか?

子育てを通して、周りのことを考えながら生活するようになりました。

私はアメリカの短大に留学していた3年間以外、生まれてからずっと実家で自由に過ごしながら仕事に打ち込んでいたんです。そこから、出産を機に自分時間と家族時間のバランスが一変。最初は、気持ちをシフトしていくのが大変でした。正直、自分にとって出産はもっと先のライフイベントだと思っていました。

出産して子育てをし始めてからは、それまでの「自分自身がよければそれでいい」という生活から一転。夫や子どもと過ごす時間の大切さを、強く感じるようになりました。一時期は、「当分の間、息子に人生を捧げないといけないんだなぁ」とぼんやり思い悩んでいたのですが、子育てのペースを掴んで気持ちに余裕が生まれると、うまく切り替えられるように。手探りで子育てをしながら、子どもが寝ている時間を自分時間にするなど、子どもと自分とのバランスを取り、少しずつ自分を取り戻していきました。最近では、子どもがいてもいなくても、変わらず好きなことを猪突猛進にやり続ける女性でいたいと思っています。家族の形としては、一人一人がお互いの考え方や生き方を尊重し、サポートし合える関係でありたいですね。

働き方は大きく変わっていません。子どもが8ヶ月のときに復職しましたが、仕事に没頭してしまう性格は変わらず、子どもを8時から18時まで保育園に預け、場合によっては20時まで園にお世話になることもありました。その分、子どもとの触れ合いは限られた時の中で大切にしています。ママの愛情不足になっているなと感じたらたくさん甘えさせてあげて。息子が5歳になった現在は自宅で仕事をする際も、子どもが幼稚園に行っている時や、寝ている間の夜や早朝にするように心がけています。

出産後、まったく変わらないものもありました。それは仕事への熱意やモチベーションです。出産に伴って半年程度休むことになるためブランクは大きいと感じましたが、復帰したら今まで以上にがんばろう、と逆にモチベーションを高めることができたので、産休・育休は大切な期間だったなと思います。



広報の力で売上に貢献を

― これから、やってみたいことはありますか?

仕事では、現在、プロントなどを全国に展開するプロントコーポレーションの広報を担当しておりますが、今(※取材は2020年12月におこないました)、飲食業界はコロナ渦で大打撃を受けています。売上に直結する広報活動を継続し続けることが目標であり、V字回復に挑戦していきたいです。

プライベートでは、来年から息子が小学生になるので、宿題などやるべきことが増えると思うのですが、毎日継続して勉強する癖をつけるサポートをすることが目標です。押し付けるのではなく、コツコツ積み重ねることで勉強が楽しくなるということを、気づいてもらえるようにしていきたいです。それから、個人的なことでいうと近所のフィットネスジムに通い始めたので、お腹が割れるくらいまで良いボディになりたいです(笑)

― ママたちへのメッセージをお願いします。

子育てって一見とても大変ですが、夫婦で楽しむ共通の趣味のように一つのことに向き合える貴重な時間とプラス思考に考えれば、とても楽しいです。そして、子どもはいつかは大人になるので、一人の人間として個性を尊重し、「自分の道は子どもが自分で選ぶから、あまり先のことまで決めつけないようにしよう」と私自身日々思っています。こうなってほしいという考えや理想があると思いますが、そこから外れたとしてもそれが子ども自身の個性であり、逆にその違う道を楽しむくらいの気持ちで構えていた方が心が軽くなります。がんばりすぎないでほしいです。

子育て、仕事、プライベートが充実すると、周りにも充実オーラを発信できると思います。「子育てしながら、こんなこともできる!」、そう考えて行動するママが増えていくと、日本にも明るい未来が待っていそうですよね。みんなで新たなニューノーマルを作りましょう!

わたしと街のつながり

中央区とのかかわりは?
結婚して、家を探したときに一番気に入った物件が今のマンションでした!

中央区の好きなところ
便利!楽しい!美味しいお店が多い!
おすすめのスポット
東日本橋の「江戸政(えどまさ)」という焼き鳥店です。並びますが、子ども大歓迎!立ち食いのお店なので、息子が小さい頃は抱っこ紐をしながら焼き鳥を食べていました
わたしの子育て

お子さんについて
5歳の男の子。(2020年12月時点)
西葛西のインターナショナルスクールに通っています。趣味はレゴ、水泳、ダンス。毎日公文とスクールの宿題に追われていて、寝るのは20時。スパルタでカオスのような忙しい毎日に慣れっ子の一人っ子です。

子育てで大切にしていること
抱きしめること(ぎゅータイム)、日々の出来事を聞くこと、一緒に食を楽しむこと。
子育て生活での失敗談
仕事のパソコンや携帯に夢中で、子どもが私に一生懸命話しかけているのに話を中途半端に聞いており、そんな姿を見た旦那が「最近子どもに向き合っていないね」とボソリ。確かに完全にパパっ子で、冷静に振り返ると子どもとの距離がある時期でした。


■ 経歴 ■ 山下 夏子(やました なつこ)さん
アメリカのコミュニティカレッジ(短期大学)卒業後、ベンチャーのスポーツマーケティング会社にて企画・マーケティング職に従事。2014年、さらなるチャレンジのためプロントコーポレーション入社。経営企画部に配属され、その後出産を経験。復職後は、インバウンドプロジェクトや海外ブランドを国内展開する新規事業など幅広く担当。2020年からは広報担当として、PRONTO(プロント)の他、Di PUNTO(ディプント)、和カフェ Tsumugi(ツムギ)やE PRONTO(エ・プロント)、egg(エッグ)等、プロントコーポレーションチェーン全業態の広報活動に注力し、活躍の場を広げている。

 

―編集後記―

仕事一筋だった20代での予期せぬ出産を成長の機会に変え、これまで以上に仕事をこなしているという夏子さん。お子さんのことを大切に育てながらも、自分のことも諦めない姿はとても輝いていてステキでした。仕事と子育てを楽しんでいる様子が爽やかな笑顔ににじみ出ていて惹きつけられます。ママのニューノーマル、ぜひ作りましょう!