晴海|子連れにも優しい最新バス「TOKYO BRT」とは?ベビーカーで乗車体験レポート!!

通常のバス2台分を連結させたカラフルで長ーい乗り物が走っているところを、見たことがある人もいるのではないでしょうか?これは「TOKYO BRT(トウキョウ ビーアールティー)」という、都心とベイエリア(臨海地域)を結ぶ新しい公共交通機関。臨海部の交通状況改善と、地域の発展を目的に作られました。BRTとは、「Bus Rapid Transit」(バス高速輸送システム)の略。大きな車体による高い輸送力、交差点でBRTの通過を優先させる公共交通優先施策の導入(予定)等による、“速さ”の実現が期待されています。

<地域を「つなぐ」 -驚き、賑わい、変化->をコンセプトにしたTOKYO BRTは、ベビーカーや車椅子利用者にも優しい設計。今回、中央区の地域に密着した情報を提供する中央区民マガジンのユキイデさんと一緒に、ママ・パパ目線で乗車体験してきました。

参考 TOKYO BRT パパママ目線で乗ってみた中央区民マガジン

現在はプレ運行中のTOKYO BRT

2020年10月1日より「プレ運行(一次)」をスタートさせたTOKYO BRTは、現在、晴海BRTターミナル~勝どきBRT~新橋~虎ノ門ヒルズを結ぶ1路線のみで運行中(一部時間帯は新橋止まりなのでご注意を)。平日はピーク時で1時間あたり6便、平日の日中と土曜・休日は1時間に4便を予定しています。

今後は段階的に運行ルートを増やしていき、東京2020大会(2021年7月~開催予定)後の「プレ運行(二次)」時は、東京テレポート~虎ノ門ヒルズの「幹線ルート」、豊洲市場~晴海~虎ノ門ヒルズの「晴海・豊洲ルート」、勝どきBRT~新橋の「勝どきルート」の3ルートに。さらに2022年度以降には本格運行を開始し、晴海五丁目(選手村)~新橋の「選手村ルート」も増える予定だそうです。

参考 TOKYO BRT プレ運行(一次)ルート&時刻表東京BRT公式サイト

現在晴海エリアに住んでいる方は、新橋や虎ノ門方面へのアクセスに少し不便を感じていませんか?電車の場合、まず勝どき駅や月島駅まで出る必要があり、さらに都営地下鉄駅の地上から改札への距離の遠さ、乗り換えの発生など、地味に大変ですよね。TOKYO BRTなら、新橋や虎ノ門方面にも1本で楽々アクセス可能。現在プレ運行中なので停留所は少ないですが、今後本数が増え平常運行がスタートすると都心への交通手段の選択肢がまた一つ増え、さらに便利になることでしょう。

このTOKYO BRT、車椅子やベビーカー利用者にも優しいということだったので、今回は実際に1歳9ヶ月の息子をベビーカーに乗せて、筆者とユキイデさんと3人で乗車してみました(ベビーカーは幅約40cm、5.9kgの「CYBEX EEZY S サイベックスイージーS」 、子どもの体重は約10kgです)。

中央区民マガジンのユキイデさんと息子。人見知りなのにすぐ懐いていました。

段差が少なく乗り降りがとてもスムーズ

今回私たちが乗車した停留所は「晴海BRTターミナル」。当日は運行開始されて間もないということもあり、TOKYO BRTに乗ることを目的にした様子の人が多くいました。 TOKYO BRTを見て最初に感じたのは「とにかく長いっ‼︎」ということ。通常のバス2台分が連結して走る姿は、写真におさめるのもやっとでした。

全長は約18mと通常のバスの約2倍。バスのタイプは、単車と連接車の両方があるそうです。なお運賃は現金:220円(小児110円)ICカード:220円(小児110円) IC一日乗車券 500円 (小児250円)

運転手さんにお話を聞くと、BRTは通常のバスと同じ大型バス免許で運転できるものの、車体が長くなったため運転の練習は多くされたとのこと。特に停留所に寄せるのは難しいそうです。

バリアフリーで設計されたTOKYO BRTのバス停は、通常のバス停と違った形をしています。晴海BRTターミナルの停留所は、一部地面の高さが上がっており、バスの乗車口との段差が少なくなる工夫がされています。さらにバスが乗り場に到着すると、バスの車体が下がり乗り場とほぼフラットになります。そのため、今回ベビーカーを持ち上げることもなく、スムーズに乗車することができました。

ママたちの間でも、ベビーカーで公共交通機関を使うのが本当に難しい!というのは、よく話題になります。電車では乗り降りに焦ってしまうのが怖く、ベビーカーでなく抱っこ紐にしている。バスは入り口が狭く、子どもを乗せたままのベビーカーでは通れない。小さい子どもを連れていても座れないことが多いし、ベビーカーのまま乗せると他の乗客の目が気になる。でも子連れの状態だとベビーカーを畳むのも大変!……など悩みは尽きません。

でもTOKYO BRTなら、そんな心配は無用。ベビーカーで公共交通機関を使うハードルを下げてくれます。

ベビーカーを押していても移動しやすい、広々とした車内

BRTの停車中に、子どもの乗ったベビーカーを押して車内後方部に移動してみました。車幅が広々としており、通路をベビーカーで通ってもまだ左右に十分な空間があるため、他の乗客を邪魔することなくゆったり移動できました。車体の連結部分を通る際も、簡単に通過。前方の1車輌目には車椅子・ベビーカー用のスペースがあるので、ベビーカーの場合はそちらがおすすめです。

広げたベビーカーと、リュックを背負った状態の男性が並んでもまだ余裕があります。

優先席付近にある、ベビーカーと車いす固定用座席のマーク。電車やバスの車内では他の人の邪魔にならないようにベビーカーの置き場所を見つけるのもひと苦労ですが、このマークがあるだけで居場所ができてほっとしますよね。座席には、ベビーカーや車いすを固定するベルトもありました。

また2020年10月現在はコロナ対策として、車内にエタノール消毒、乗り口にソーシャルディスタンスを呼びかけるボードがあります。窓は常に開放。降りる人がいなくても全ての停留所でドアを開けて換気をするそうです。

子連れにも快適な空間で、乗り換えなしで都心へ

実際にTOKYO BRTに乗ると乗り換えなしで都心へ行けるので、子連れママにはとても快適でした。子どもはベビーカーに座ったまま、ママも隣に座って景色を眺めたり子どもをケアしたりすることができて、助かりました。

停留所が少ないので時間短縮になるかと思っていましたが、現時点では電車もTOKYO BRTも所要時間はあまり変わりませんでした(勝どき~新橋間は電車11分・TOKYO BRTは12、3分)。本格運行時には公共車両優先システム(PTPS)の導入などで、今より速達性がアップされることが期待されています。TOKYO BRTの運行開始によって、移動手段の選択肢が増えたのは嬉しいですね。

新橋停留所での段差。車高を下げなくても、地上と乗り口の段差は5cm弱。

今回乗ったTOKYO BRTは「新橋」が終点。停留所には、雨の日でも安心できる大きな屋根がありました。降りてすぐ目の前にゆりかもめと都営大江戸線の駅へと続くエレベーターがあり、次の行先を確認するのに立ち止まって悩む必要もありません(JRの新橋駅までは少し歩きます)。

これまで子どもを連れて都心へお出掛けする際には、利用する駅のエレベーターの有無、乗り換えの有無や回数、時間帯などを考えて行動してきました。TOKYO BRTは電車よりも本数が少ないので時間の縛りはありますが、パパや周りの人の手を借りなくても楽に乗り降りできる点は、子連れにとっては行動範囲が広がるきっかけになります。

また車内が広いので、ベビーカー利用で肩身の狭い思いをすることは、以前より少なくなりそうです。今回一緒に体験した中央区民マガジンのユキイデさんも、ママを助けるパパ目線での利便性を見るはずが、何も手伝うことがなく快適に利用できてしまった、と仰っていました。そうなんです!パパがいなくても出かけやすい!子連れママの目線ではこれが一番嬉しいのです!!

今回の体験で、TOKYO BRTは臨海地域と都心をつなぐ新しい交通機関としても便利な上、子連れママにも優しい乗り物であることが分かりました。今度の週末は、是非快適なTOKYO BRTでお子さんとお出掛けしてみてはいかがでしょうか?

 

(2020年10月訪問)

データ

スポット名 TOKYO BRT(トウキョウ ビーアールティー)
公式情報 このスポットのオフィシャル(公式)サイトへ 
料金 プレ運行(一次)
現金:220円(小児110円)ICカード:220円(小児110円)
IC一日乗車券 500円 (小児250円)
備考 車内にFree WiFiあり

※2020年10月時点の情報です。

 

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