コラム|赤ちゃんの便秘について元NICU看護師が伝えます!見極め方、なりやすい時期、対処方法について

赤ちゃんは自分で便秘になったことを伝えられないので、パパママで気づいてあげないといけません。とはいえ、これは便秘になってしまったのかわからない、便秘の場合どうしたらいいの?病院には連れていくべき?など保護者として悩むことも多いかと思います。今回は、新生児集中治療室(NICU)で看護師として勤務していた私が赤ちゃんの便秘の見極め方、なりやすい時期、対処方法について書いていきたいと思います。

赤ちゃんは便秘になりやすい?

赤ちゃんに便秘のイメージはあまりない方もいるかもしれませんが、実は赤ちゃんは便秘になりやすいです。それはまだ腸管の発達が不十分なため便の形状が不安定で、筋肉量が少ないことから便を出す時にうまくいきめないためです。中でも「より便秘が起こりやすい時期」というのが3つあります。新生児期、生後2〜3ヶ月頃、生後5〜6ヶ月ごろの3つの時期です。

新生児期、ミルクを飲んでいる赤ちゃんは、母乳を飲んでいる赤ちゃんに比べ便秘になりやすい傾向があります。それは、ミルクは母乳に比べて消化が悪いからです。一方母乳は、腸内の善玉菌を活性化させ排便をスムーズにするのを助ける乳糖が多く含まれているため消化がしやすい、と言われています。

生後2〜3ヶ月頃は、腸内の消化器官も発達してきて便を腸にためることができるようになってきます。ですが、逆に腸が発達してきたことで便がお腹にたまってしまい便秘になってしまうことがあります。

生後5〜6ヶ月頃は、母乳やミルクに加えて離乳食が始まったことにより水分不足がおこりやすく、便が硬くなってしまうことがあります。硬い便によって切れ痔などが起きてしまうと、いきむことを怖がり便秘になってしまうことがあります。

こんな症状があれば便秘を疑いましょう

まず赤ちゃんの排便のペースには個人差が大きいです。そのため、その子のペースを把握してあげておくことがとても大切。その上で、排便の回数が減っている、便の量が少なかったり硬い、ミルクや母乳を飲みたがらない、なんとなく不機嫌そう、ということがあれば便秘を疑ってください。

排便の回数は、普段の排便のペースより減っているかどうかを意識してみてください。普段1日に2〜3回排便があるのに今日は出ていない、毎日出ていたのに3日ほど出ていないということであれば便秘を疑いましょう。

便の量が少なかったり硬い場合は、便をうまく出せていない、あるいは出しにくい状況の可能性があります。このような場合は早めに予防してあげるといいでしょう。ミルクや母乳を飲みたがらない場合はわかりやすいサインと言えます。便が溜まっていることで食欲が減ってしまっているのです。時には吐いてしまうことも増えてきます。

また便秘となると、なんとなく不機嫌なことも増えてきます。ミルクや母乳をあげた、おむつも変えたばかりなのにずっと泣き止まないなんてことがあれば、もしかすると便秘なのかもしれません。

家でできる対処方法とは?

便秘の疑いがあったとしても赤ちゃんの様子に大きな変化がなければ、まずは家でできる対処方法をやってみましょう。家でできることといえば、下腹部のマッサージ、水分を取らせる、離乳食に食物繊維の多いものをプラスする、綿棒で肛門を刺激するということがあります。

下腹部のマッサージは、おへそを中心に「の」の字を書くように優しくマッサージしましょう。ベビーオイルなどを使ってすべりをよくすることもおすすめです。

また離乳食が始まって水分が減っていることが考えられる場合は、水分を多く取らせましょう。白湯やお茶などを飲ませて水分をプラスするとよいです。離乳食に食物繊維の豊富な食材をプラスすることも効果的です。さつまいもやりんごのペーストなどを食べさせてあげましょう。

最後にそれでも改善されない場合は、ベビーオイルやワセリンをつけた綿棒を肛門に挿入して、ゆっくり10回ほど回しましょう。入れる長さは綿棒の先1cmくらいです。マッサージをした後に行うと、より便秘が解消しやすくなるかと思います。

病院には連れていくべき?

病院に連れていくべきかどうかの判断は、便の出ない日数ではなく赤ちゃんの様子をみて判断することが大切。少しの期間排便がなかったとしても、赤ちゃんの様子が元気ならばそこまで気にしないで大丈夫です。

ですが、お腹がぱんぱんに張っている、血便が出る、嘔吐を繰り返す、ぐったりしていて発熱している、緑色の嘔吐がある、1週間以上の便秘が何度も続く、などといった場合は病院に連れて行ってあげましょう。もしかしたら重度の便秘や腸の病気の可能性があります。

さいごに

赤ちゃんの便秘はよくあることです。ポイントは自宅で様子をみていいものなのか、病院に連れていくのかの判断をすること。いつも赤ちゃんの身近にいてその子のことをみているパパママだからこそ、いつもと様子が違う時もよくわかるかと思います。自宅でできる対処も簡単なものばかりですので、ぜひ実践してみてください。

 

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