インタビュー|生き生きとした大人を増やす。 それが、夢と自信にあふれた子どもを育む。~半澤 円さん

生き生きとした大人を増やす。
それが、夢と自信にあふれた子どもを育む。

コーヒー&パニーニ「CAFE LIFE」オーナー、オンラインショップ「KiLaLi LIFE」運営/半澤 円(まどか)さん

円さんは、9歳の女の子と7歳の男の子のママ。小学生2人を育てながら、会社を2社経営するパワフルな女性です。そんな彼女も会社員になった当初は、独立なんて全く頭になかったそうです。その頃の出会いが、自身の生き方や考え方に大きく影響したと話します。人生の転機にどう向き合い、どんな変化があったのか、また今後やりたいことについて伺いました。

 

憧れの生き方に出会い、独立を目指す

― あなたにとっての人生の転機は?

社会人2年目で、私の理想とする生き方を実現している人たちに出会い、独立をしたことです。

茨城県出身の私は、幼い頃から東京への憧れが強く、大学卒業を機に上京しました。大学で教育学部だったこともあり、教育系企業の塾部門の事務職として社会人生活をスタートさせます。仕事に対して真面目に取り組む性分で、新卒1年目から先輩の仕事も率先して引き受け、業務を覚えました。講師たちの講義が21時に終わり、事務処理をして退勤するのが22時過ぎ。プライベートを充実させる余裕はなく、家と会社を往復する毎日……。

私は本当にこれでいいのかな、と疑問を抱いたのが社会人2年目のときでした。同時に、将来のキャリアにも不安を抱き始めていたんです。社内は本当にいい人たちばかりなんですが、仕事に打ち込む人は女性でも泊まり込みが続くほどプライベートを犠牲にしており、一方で、結婚・出産をした役職者が役職を失っていく。それは5年後、10年後に自分がなりたい姿なんだろうか。

そんな風に悩んでいた頃、飲み会で夫と出会い、彼の紹介で出会った人たちに衝撃を受けました。仕事も遊びも一生懸命な男性や、プライベートも仕事も両立させている女性など。私から見て、人生をとても充実させている、まさに自分が理想とする生き方をしている人たちでした。その人たちに詳しく話を聞くと、自分の将来が会社では見出せず、独立する道を選んだという人が多かったんです。今の会社で働く自分の将来像に疑問を持っていたのは私も同じだったのですが、自分で仕事をするというのは1ミリも考えていなかったので目から鱗。将来的に子どもができたら、できるだけ子どもと向き合って育てたい。そう考えると会社勤めより独立が向いているような気がしました。私が目指すライフスタイルはそこにある!そう気づいたとき、居ても立っても居られず動き出す決意をしました。

一念発起して、経営のノウハウなどを修得するために講座を受け始めたのが、社会人2年目の5月です。平日は会社員としての仕事、土日は独立に向けての土台作り。座学だけでなく、小さい事業を実際にやってみるなど、実戦を通してスキルを身につけていったので、会社員と個人事業主、すぐにダブルワークの状態になりました。当時の生活はそれまで以上に大変でしたが、独り立ちという大きな目標に向けて本当に充実していました。そして社会人5年目を迎える頃、第1子の妊娠を機に会社員を辞めました。

「CAFE LIFE」の店長(中央)と一緒に、娘(右)と


「どれか」を選ぶんじゃない、人生は“全部取り”

― その後、どんなことが変わりましたか?

自分が大事にしたいものを大事にできるようになりました。

ダブルワークのときは生活の全てを働くことに注いでいましたが、個人事業主としての仕事が軌道に乗り出してから、自分が費やしたいことに時間を使えるようになったんです。子どもといっぱい触れ合いたいと思ったら触れ合える、友達と遊びたいと思ったら遊べる。そして、仕事をしたいと思ったら思いっきり働ける。自分の望む生活ができるようになったと感じます。
以前は、何かを選んだら何かを諦めなきゃいけないと思っていました。大人になったら遊びより仕事、というように、諦めなきゃいけないこともあるなって。でも、人生は“全部取り”。今はそう思っています。「どれか」を選ぶのではなくて、大事だと思うものは「全部」大事にしたいです。

子どもは、小さい頃しか長く一緒にいてくれない、という気持ちもあって、幼稚園に入るまで自分で世話をしました。会社員を辞め、職場に子どもを連れて行けるような環境にしていたので、子どもとの時間を作りやすい働き方だったと思います。ただ、子どもを連れていけないような案件では、保育士の友人に子どもを預かってもらうこともありました。だから自分1人で育児をしたということはなく、夫や友人、周りの力を借りてみんなで子育てをしている感じです。自宅では私よりも夫の方が育児を多くする場面もあるんですよ(笑)。2018年にそれまでやっていた事業を法人化して会社を設立、2020年には日本橋小伝馬町にあるコーヒーとパニーニのお店「CAFE LIFE」を運営する会社も知人から買い取りました。忙しい中でも自分の理想の生活ができ、子どももすくすく育っているのは、周りのサポートあってこそだなと本当に感謝しています。

 

生き生きとした大人を増やし、夢をいっぱい持った子どもを育てたい

― これから、やってみたいことはありますか?

独立ややりたいと思ったことを実現するためのコンサルティングのようなサポートをしているので、それをきっかけとして生き生きとした大人がたくさん増えるといいなと思っています。
「これやりたかったな、けど今さら……」と思っている人は、すごく多いと感じています。人生一度きり。本当に望んでいるものは望んでいいし、やればできる、と前向きな大人を増やしたいんです。それが子どもの教育にも一番いいと信じているので。子どもは本当にまっさらで、周りにいる大人によって生き方が変わると思います。生き生きとした夢を持っている大人が周りにいると、子どもも夢をいっぱい持つことができ、大人になったらできるんだと自信に繋がる。逆に、投げやりだったり、「疲れた」ばかりを言ったりする大人が周りにいると、大人になりたくない、って思うんじゃないかって。生き生きとした大人がたくさんいれば、これからの未来を担う子どもたちも、いろんなことにチャレンジし、夢を持つことができるのではないでしょうか。そんな風に私は思います。
なので、そんな大人を増やすためのサポートを、自分ができる形でこれからもやっていきたいです。

― ママたちへのメッセージをお願いします。

ママになっても自分は自分。やりたいことは全部やりましょう!

わたしと街のつながり
中央区とのかかわりは?

人形町・水天宮周辺に在住。日本橋エリアに住み始めて10年以上。複数の職場も中央区で全て徒歩圏内。

よく訪れる浜町公園にて

この街の好きなところ
新しい街と昔ながらの下町が融合しているところ。明治創業のお店もあれば、最先端のお店も並ぶ。また、いろんな考え方を持つ人や生き方をしている人がおり、それらが尊重されているところも魅力。
おすすめのスポット
隅田川テラス。異空間な雰囲気が漂っていて、水辺を見ながら散歩したりおしゃべりしたりするとホッとする。
わたしの子育て
わたしの家族

夫と小学4年生の長女、小学2年生の長男 ※2022年3月時点
長女はしっかり者。自分のことは自分でするのはもちろん、私が仕事で遅くなったときには、長男にご飯を食べさせてくれている。また、コミュニケーション力が高く、他の小学校にも友だちがいるほど。
長男は優しい。早生まれなこともあり、学年でも成長はゆっくりめで周りに手伝ってもらっていることが多い。好きなことにはとことん夢中になり、記憶力がいい。喧嘩はもちろんするが、姉弟仲はとてもいい。

家族で石垣島への旅行に出かけた際にシーサー作りを体験

子育てで大切にしていること
自分で考えて行動させている。親としては先回りして口出ししたくなることもたくさんあるが、うまくいかなかったことも子どもの経験だと思って、まずは本人の意思に任せるようにしている。
子育て生活での失敗談
長男が0歳のとき、床に置いていた生ゴミの袋を彼があさっていて、卵の殻を口に入れてしまった。結果的には卵アレルギーはなかったが、全身に蕁麻疹が出てしまい、本当に焦った。

 

■ 経歴 ■ 半澤 円(はんざわ まどか)さん
茨城県出身、実業家。大学卒業後、教育関係の企業に就職し上京。社会人2年目に人との縁がきっかけで実業家の道を選ぶ。会社員と実業家のダブルワークで生計を立てながら研鑽を積む。25歳で結婚、第1子妊娠をきっかけに会社を退職、現在2児の母。2018年に夫と共同で会社を設立。2020年、知人が経営する会社を買い取る。現在は日本橋小伝馬町にあるカフェ「CAFE LIFE(カフェライフ)」の経営と、女性向け商品を取り扱うオンラインショップ「KiLaLi LIFE(キラリライフ)」を運営。。

・CAFE LIFE
公式HP

Instagram    

・KiLaLI LIFE
公式HP
Instagram

 

―編集後記―

明るく話し上手な円さん。理想の生き方に出会ったあとの高い行動力もさることながら、円さん自身のコミュニケーション力と人間力に惹かれっぱなしのインタビューとなりました。まさにキラキラ輝く太陽のような女性です。お話の中でも印象的だったのが「全部取り」。そういえば大人になってから、知らず知らずのうちに物事に折り合いをつける癖がついてしまっているかもしれませんね。ママになっても自分のために夢中になれることをやる、そんな素敵な女性になりたいですね!

 

(2021年10月取材)