インタビュー|仕事も家庭も両方大事 欲張りな自分を認めてあげる~名方 朋世さん

仕事も家庭も両方大事
欲張りな自分を認めてあげる

会社員・『選ばれる営業になるための勉強会』代表・『中央区ワーキングマザーの会』代表/名方 朋世(なかた ともよ)さん

朋世さんは、長男(1歳6ヶ月)のママ。独身時代も、結婚してからも、子どもが生まれてからも、多様な業界の営業を経験し、現在は生命保険営業の第一線で活躍しています。営業という仕事をこれからも続けていきたい。人生の転機にどう向き合い、どんな変化があったのか、また今後やりたいことについて伺いました。

限界を取り払い、やりたいことを全力で
― あなたにとっての人生の転機はなんですか?
今の職場(生命保険会社)で働き始めたことと、子どもが生まれたことが私の転機です。

私は営業の仕事が大好きで、ずっと営業に関わっていきたいと言う思いが強くありました。ただ、前職でも前々職でも役職があがっていくと女性が少なく、特に私の周りでは子育て中の女性営業管理職の社員がいませんでした。「自分のキャリアはどうなってしまうのか」と悩んでいたとき、現在所属している生命保険会社から声がかかりました。そこでは、これから先も営業の仕事に携われ、自分の好きなお客様を一生涯担当できると聞き、こんな素敵な仕事は他にはないと思い、2012年に転職を決めました。

この転職を機に、考え方にも変化がありました。それまでは、想像できる範囲内の未来しか想像できませんでした。与えられた給料や自由時間の範囲内でできる最大限のやりたい事を考え、今後の昇級でここまで給料が上がるな、自由時間もこれぐらいだなといった計算もすべて想像の範囲内。それが今の職場では、固定給もなく、ノルマもなく、働き方も自由。自己成長に合わせて頑張れる環境です。その結果、想像の枠に捉われず、限界を取り払って色んなことを楽しめるようになりました。

自分で時間を調整しながら働けるようになったので、本業以外にも、少しでも世の中の役に立てることがしたいと思い、『選ばれる営業になるための勉強会』を発足。講師を務めて7年になります。また最近は『中央区ワーキングマザーの会』というコミュニティを立ち上げました。この会を始めたきっかけは、自分以上に大事なものができた、つまり、子どもが生まれたことがきっかけです。

東京で暮らす人は東京出身の人は少なく、自分も含め別の場所から越してきたご家庭が多いです。特に中央区は都心に近いため、仕事にも高い価値を置いて働いている人も多いようです。私みたいに仕事も家庭も、という欲張りな人ですね(笑)。地域のコミュニティーが強くなると、子どもにとって安心して遊べる相手や場所が増えることはもちろん、何より欲張りなママにとって、悩みを一人で抱え込まないで相談し合い、働く自分とママの自分、両方の自分を認めながら人付き合いができていくというのがいいなと思い、会を立ち上げることにしました。コロナ禍の中、なかなか思うように活動は進みませんが、まずは座談会などを通して、ママ同士の交流を図ろうと思っているところです。

 

子どもとの時間を中心に、仕事や家事を効率化

― その後、どんなことが変わりましたか?

子どもが生まれたことが変化につながっています。私は幼少期から両親に習い事や旅行など、いろんなことを経験させてもらいました。私も子どもたちに同じようにしてあげたいのですが、専業主婦だった母に比べて子育てに割ける時間が少ない。そこで、仕事を続けながらも子どもを優先した生活ができるように、業務時間を減らして成果を上げる仕組みを2年がかりで作り上げました。

本来、生命保険の営業は夜と土日にアポが入ることが多いのですが、子どもが生まれたら夜は仕事をしたくないと考えていました。そこで妊娠する2年前くらいから仕事のやり方を計画だて、生産性を下げずに活動量を減らす仕組みを模索してきました。現在では、育児をしながら効率的に業務をこなせるようになってきました。1日のモデルスケジュールを立てて生活をしているのですが、今の仕事時間は1日だいたい6時間です。今まで十数時間かけないとできないと思っていたのに半分くらいの時間で同じ結果を出せるようになりつつあります(笑)。

そうやって仕事に割く時間を減らし、その結果浮いた時間は、家事や子どものための時間にしています。できるだけ子どもとの時間を大切にしたいので、保育園へのお迎えは16時くらいに行くようにしています。また、仕事だけでなく家事の時短も追求するようになりました。出産前は正直掃除機も毎日はかけていませんでしたが(苦笑)、やはり子どもに埃っぽい部屋に居させたくないので、夫と家事の分担をし、外部の力を借りたりして、効率を重視した家事をしています。

子育て世代のための営業マン、そして地域の橋渡し役に

― これから、やってみたいことはありますか?

本業では、子育て世代の資産形成をサポートできる営業マンになりたいです。今もその世代専門の保険営業として活動しています。その方たちの悩みとして、子どもの教育は妥協したくない。しかし、何をするにもお金がかかる。また、10年後、20年後を見据えて資産形成をしなければいけない。ただ、仕事と育児を両立しながら、先々のことまで考えるのはとても大変。そんな悩みを持つ子育て世代に寄り添い、それぞれのご家族にあった最適なサポートができる営業マンになりたいと思っています。

また、『中央区ワーキングマザーの会』は、発足したばかりなので、まずは地域の方とのつながりを深めていきたいと考えています。またおじいちゃんおばあちゃんから子どもまで、広くコミュニティとしての繋がりを持ちたいとも考えています。それが子どもにとっても親にとってもいい結果になると信じています。

― ママたちへのメッセージをお願いします。

私も発展途上すぎるので大きなことは言えませんが……、ママって自分を犠牲にしてもいいと思いがちかなと感じます。育児も仕事も100%やりたいと思ったら多分できるし、やりたい人は周りにもたくさんいるはず。自分の中で一人で悩まずに周りの人たちと手を取り合いながら、育児も仕事も楽しんでいけたら素敵だなと思います。

両立のコツはそれぞれだと思いますが、私の場合は、一番大事なものを守るために他のものをどうしたらいいのか考えてやっています。育児をちゃんとしたいと思っていますが、仕事を疎かにしてしまうと回らなくなって時間がかかり、結局育児にしわ寄せが来てしまう。そのため、仕事のやり方を工夫しました。そうやって一番大事なものを軸に置くと、他のものをやり方をしっかり考えられるようになりました。一緒にがんばりましょう!

わたしと街のつながり

中央区とのかかわりは?
東日本橋在住。住み始めて3年くらい。知り合いもおらず、長男が保育所に入園できた途端に新型コロナウイルスの影響で保護者会もなくなり、知り合いを作るきっかけが全くなくなった。そこで、自ら育児座談会の案内をマンション内でポスティングして自宅で実施。それをきっかけに知り合いが増えて、声もかけ合える関係ができた。

中央区の好きなところ
隅田川沿いの公園に愛犬(マルプー)を連れて散歩できるところ。千代田区に住んでいた頃より犬にも子どもに優しくて安心できる。
おすすめのスポットはありますか?
浜町公園。子どもは水が好きで、水道を押して水をいっぱい出してびしょ濡れになりながら遊んでいる(笑)。一人の時間は必要ないタイプなので、公園などでめいっぱい子どもと遊んでいる。
わたしの子育て

お子さんについて
1歳6ヶ月(男)、2020年11月出産予定(女)※2020年9月時点
長男はマイペース。よく食べてよく遊んでよく寝てよく笑う。夜泣きも一回もしたことなく離乳食も何でも食べたので、子育ての悩みは今のところない。夫教育の方が大変(笑)。次は女の子なのですごく楽しみ。

子育てで大切にしていること
「ダメ」という言葉を使わないようにしている。危ないこともギリギリまで見守る。本人の興味にまかせて自由にさせてあげたいと思っている。
子育て生活での失敗談
おもちゃをいろいろ買いすぎた(笑)。ネットで良さそうなものを見つけるとつい買ってしまう。たくさんありすぎるので子どもも飽きっぽい。サブスクのレンタルを活用したらよかった。

 

【経歴】名方 朋世(ナカタ トモヨ)さん
リクルートやメーカー勤務を経て、2012年に外資系金融機関に入社。前々職、前職において、リクルート新人賞&MVP、某メーカーにて1ヶ月半で部門別全国トップを達成。そして世界トップ1%の保険セールスマンのみに認められる「Million Dollar Round Table」資格会員となる。営業マンが元気になれば、企業が元気になり、日本が元気になる……「日本を元気にしたい!」そんな想いから「選ばれる営業になるための勉強会」を発足。出産を機に、一人でも多くのワーキングマザーの人生が豊かになる事を目指して「中央区ワーキングマザーの会」を発足。現在第2子の出産を控え、業務量を調整しながら仕事と育児に奮闘中。

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―編集後記―
営業として第一線で輝きつつ、大切な家族が増えたことで柔軟に優先順位を変え、生活パターンをシフトさせてきた朋世さんは、まさにバイタリティに溢れた女性! 終始絶やさない笑顔とフレンドリーな話し方で、お客様ともご近所とも分け隔てなくお話しされている様子が容易に想像できて、同じ女性としてとても良い刺激をもらいました。彼女ほどの計画性は持てなくても、自分の今後を見据えて、職場の制度ばかりに頼らず、自分で居心地のいい働き方を模索していきたいです。