インタビュー|体調管理や仕事で悩んできた私だからできること。健やかなカラダとココロをつくるサポートがしたい。~本城 知恵さん

体調管理や仕事で悩んできた私だからできること。
健やかなカラダとココロをつくるサポートがしたい

ショップ経営兼ファスティングマイスター/本城 知恵(ほんじょう ちえ)さん

現在妊娠9カ月の知恵さんは、オーガニックコスメや食品をメインに扱っている「zakka shop Green」を運営しています。さらに、自身の健康を見つめ直したのをきっかけに始めたファスティングを機に、ファスティングマイスターの資格を取得し、ファスティング指導の活動にも尽力。体の外側と内側、両面から健康で美しくなるサポートを行っています。「今の仕事があるから、充実した毎日を送れています」と語る知恵さんは、人生の転機にどう向き合い、どんな変化があったのか。また今後やりたいことについて伺いました。

 

病気が見つかったのを機に始めたファスティングが仕事に

― あなたにとっての人生の転機は?

転機は人生の要所要所にあります。

現在、私は浜町(中央区)で「zakka shop Green」を営んでいます。オーガニックコスメや自然食品、ギフト向け雑貨を取り扱っているお店です。「“美と健康”をかなえる地球にやさしいセレクトショップ」をコンセプトに、お客様が、赤ちゃんやペットなどの大切な家族と一緒に使えるアイテムを取り揃えています。店内では、季節ごとの手作りワークショップや、ドッグヨガを定期的に開催したり、ファスティングのカウンセリングも行っており、様々な体験が出来る場所になっております。
このお店をオープンしたことは、転機の一つです。

大学卒業後、銀行員として勤め始めました。入社間もない頃は「ずっとここで働き続けよう」と意気込んでいましたが、休日返上で仕事をしたり、連日飲み会が続いたりと、思いのほかハードな日々でした。20代前半までは対応できても、20代後半、30代になったとき、この生活を続けられるか不安に思い、起業を意識し始めたんです。
とはいえ、自分に合う仕事が他にあるかもしれないという気持ちもあり、何回か転職を経験しました。それでも理想の職場に出合うことができず、唯一選択肢に残っていた起業をしようと決意しました。
だから、「こういう会社を作るぞ」と昔から意識高く持っていたわけではないんです(笑)。でもやるからには自分にしかできない事業をやりたかった。幼い頃からアトピー体質だったのと、学生時代に美容部員のアルバイトをしていた経験があったので、お客様の美容や健康に役に立てる商品やサービスを提供したいと思い、現在のお店を出すことになりました。これが33歳のときです。

そして同じ頃、子宮筋腫が見つかったことも、大きな転機です。結婚もし、そろそろ子どもを授かりたいと思っていた矢先のできごと。幸い良性で、手術によって切除はできましたが、体の負担を考えるとすぐには妊活に進めないと分かり、精神的ショックが大きかったですね。「20代のうちに分かっていれば」「もっと気を付けておけば良かった」という想いがめぐったのを覚えています。
この経験によって、コスメやスキンケアなどの外見的な美しさだけでなく、内側から綺麗にする体づくりに興味を持ち始めました。そこで、35歳の節目を迎えたこともあり、「ファスティング」に挑戦してみたんです。

ファスティングとは、デトックスによる腸内環境の改善と代謝の活性化を目的とした断食のこと。私が行ったのは、必要な栄養素を摂りながら行うミネラルファスティングという方法です。3日間のファスティング期間中は、一定量の酵素ドリンクと水分のみ摂取OKで、前後で準備食と回復食を2日間ずつ摂り、元の食生活に戻していきます。初めてのことでやり方が分からなかったので、近所に住んでいたファスティングマイスターの方に指導していただき、友人たちと始めました。
もともと食べることが大好きで、常に食べ物を傍に置いておきたいタイプの私が、過酷なファスティングをできるのか、スタート前は不安で仕方がありませんでした。反面、ファスティングマイスターの方がとても美しく、「こんな風になりたい」とモチベーションも上がりました。そして始めてみると意外にも問題なく過ごせたんです。しかも摂取すべき酵素ドリンクの量を勘違いしてしまい、3日間終わった段階で8割近く残っている状態。もしかしたらまだ続けられるのでは?と半信半疑で延長したら、トータル6日間のファスティングに成功。これがとても良い経験になりました。肌が綺麗になったり、体重が減ったりと、見た目の変化はもちろんですが、心にも良い影響を与えてくれました。

ファスティング中は食事による血糖値の乱高下がないので、食後の眠気やだるさを感じることがありません。感情の起伏も少なく、安定した気持ちや頭がクリアな状態を保つことができました。そのため仕事などの作業がはかどります。また献立を考えたり食事を作ったりといった食事に関する時間を短縮したことで、読書などに使える時間を捻出できるのも魅力でした。ファスティングによって、前向きになれましたし、心まで身軽になった気がしたんです。
そこで定期的に実施しようと、ファスティングマイスターの方に相談をしてみたら、資格取得を薦められました。思いきって資格を取り、現在はお店と並行して、カウンセリングなどを中心にファスティング指導もさせていただいています。最近は、ファスティングをお手伝いした方から「体の調子が整った」と報告を受けることも増え、ファスティングの効果を再認識すると共に大きなやりがいを感じています。そしてうれしいことに、私も妊娠することができました。いくつかの転機を経て今の自分がいるのだと、実感します。

ファスティングのカウンセリング中

 

経営者の同志である夫が、心強い存在

― その後、どんなことが変わりましたか?

まずお店を始めてからは、地域について目を向ける時間が増えました。会社員時代は近くにどんな人が住んでいるか意識することはなかったのですが、お店を出したことで、ご近所の方や街ゆく人とのつながりを深く築けるようになったと思います。浜町界隈はお洒落なお店が増えたこともあり、最近は若いお母さんも多くいらっしゃる印象です。そういった方に対して、自分は何ができるか考えて、店内の商品やサービスを決めることもあります。
現在お店のコンセプトを「あなたと家族の“美と健康”をかなえる地球にやさしいセレクトショップ」と掲げていますが、オープン当初はどちらかというと若い女性向きの商品が中心だったんです。でも実際街にはファミリーやペット連れの方が多くいらっしゃると気がつき、赤ちゃんやペットなどの、家族全員が使えるようなアイテムを置くようにしました。子どもやペットと一緒に参加しやすいワークショップも毎月開催しています。

ファスティングマイスター取得後、家族や友人といった身近な人たちのファスティングサポートから始め、今までにトータルで200人ほど指導させていただきました。中にはリピーターになってくださったり、お知り合いをご紹介してくださったりする方も。店舗運営とファスティングマイスターの活動をしている今の生活は、とても充実していますね。

私より一足早く飲食店経営を始めた夫の存在も、経営者という立場の同志として、大きな支えになっています。たまにアドバイザーのように、私の相談に応えてくれるんです(笑)。たとえば新しい事業を始めようか迷っているときも、背中をポンと押すような言葉をかけてくれるので、守りに入るのではなく何事にもチャレンジしようと思えます。心強い存在です。

ファスティングカウンセリングの様子


「悩みを抱え込んでほしくない」。女性たちが安らげる場所づくりに取り組みたい

― これから、やってみたいことはありますか?

私は、子育ても仕事も両方大切にしたいと考えています。自分の大切にしていることに、活き活きと頑張れるのはとても幸せなこと。まずは自分自身がそれを叶えて、周りにも同じような状態の女性を増やすお手伝いができたらいいですね。今まで何度か開催してきた、女性の悩みを相談し合う女子会イベントも継続していくつもりです。私は、妊娠を考え始めたり、起業に踏み出したりするまでにのんびりしてきたタイプなので、アドバイスといったらおこがましいですが、そんな私から皆さんにお伝えできる何かがあるのではないかと思います。
特に、これから結婚や妊娠を考えている女性には、身体検査をはじめ、若いときにしておいた方が良いことをお伝えできればいいですね。仕事のこと、年齢のこと、体のことなど、テーマは何でもいいと思います。どなたも、家族や職場など身近な人には相談しづらい悩みを抱えているもの。それぞれが心の内を言い合える、安らぎの場所を提供したいです。

― ママたちへのメッセージをお願いします。

仕事を通じてたくさんの女性と関わっていると、改めて女性のパワーを間近で感じます。強い方が多いですよね。一方、生理や妊娠・出産などが起因となる女性ホルモンの乱れを機に、メンタルもどんどん落ち込んでしまうのも事実。実際私もそうでした。会社員を辞めて起業をし、ショップのオーナー兼ファスティングマイスターとしても活動していると、順風満帆と思われる方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。
妊娠前は終わりの見えない妊活に、妊娠後は連日のつわりに、どんどん精神を追い込まれてしまいました。でも自分一人で抱え込まず、周りを頼れば、きっと乗り越えられるはず。
私はこれから子育てが始まりますが、お互い支え合いながら一緒に頑張っていきましょう!

わたしと街のつながり
中央区とのかかわりは?

浜町に10年以上住んでいます。地元である茨城に帰りやすい場所がいいと思い、東京駅も近いこのエリアを選びました。

浜町公園でお散歩

この街の好きなところ
利便性が高いといった都心ならではのメリットがありつつも、老舗店が軒を連ねていたりと下町らしい風景が残っているところが好きです。緑も多くて穏やかな雰囲気が気に入っています。
おすすめのスポット
浜町にある「Single O Hamacho」というカフェが好きです。ここは家族やスタッフとミーティングしたり、友人ともよく訪れます。お店の方も、娘にもいつも優しくしてくれて、とても居心地の良い場所です。晴れた日にはテラス席が気持ち良く、仕事や会話が捗ります。
わたしの子育て
わたしの家族

0歳女の子、夫、私(2023年4月現在)

水天宮前にてお宮参り

子育てで大切にしていること
天気の良い日は一緒に外に出て気分転換する、毎日子どもを見ている自分の直感を大切にする。
子育て生活での失敗談
帝王切開で、平均体重より小さく産まれたため、毎日たっぷりミルクを与え続けたら、ぽっちゃりベイビーになりました!

 

■ 経歴 ■ 本城 知恵(ほんじょう ちえ)さん

津田塾大学を卒業後、銀行に入社。その後複数の会社にて経験を積み、33歳の時「zakka shop Green」をオープン。オーガニック食品や雑貨、コスメなどの商品を販売している。ファスティングマイスターとして、お客様のライフスタイルに合わせたファスティングのアドバイスも行う。

zakka shop Green
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―編集後記―

「子どもには、とにかくやりたいことを見つけてほしい。そのためにも、幼少期はいろんな経験をさせてあげたいですね」と、これから生まれてくるお子さんの誕生を心待ちしていらっしゃった知恵さん。
終始にこやかに、穏やかに話されていた姿が印象的。起業にもファスティングにも、前向きに挑戦する姿勢は、同じ女性としてとてもかっこ良く映りました。インタビュー中は、仕事にも遊びも精いっぱいだった20代のころや子宮筋腫が見つかった当時のことを振り返りながら、「若いうちから健康を気遣う大切さを伝えたい」と、次世代への想いも。そして私も、知恵さんご指導のもと、ファスティングにチャレンジしてみたくなりました。

 

2022年8月取材