インタビュー|「今」この瞬間を無駄にせず「真剣に生きる」〜 丸山 由佳さん

夫と娘との出会いが、
今の充足した毎日につながっている

株式会社マチルダ代表/丸山 由佳さん

由佳さんは、もうすぐ4歳になる女の子のママ。
中央区・江東区でミールシェアサービスを展開するマチルダ代表として、日々真剣に事業と向き合っています。人生の転機にどう向き合ったのか、どんな変化があったのか、仕事と家庭、人生観についてのお考えなども伺いました。

出産後に当事者として感じた不を解決するために起業

― あなたにとっての人生の転機は?
一つは夫と出会ったこと、もう一つは娘と出会ったことです。

我が家の家訓というか、夫婦共通の価値観は「真剣に生きる」なのですが、夫と出会って私自身もこれを意識するようになりました。夫は自分の信念に基づいて事業を起こしています。出会った時、信念を持って生きるってこういうことなんだと、とても衝撃を受けたのを覚えています。ただ、当時私自身はこれという信念がなく、新しい挑戦をしている人を手助けすることができれば楽しいな、とスタートアップをサポートする仕事をなんとなく選んでいました。

米国でインターンをしていた時

そんな私にとって、娘との出会いが二つ目の転機になりました。
娘を出産し、新しい生命を生み出すことのすばらしさを感じました。それを機に、子どもという存在が好きになったんです。一方で、子育ては不安も多く、さらにワーキングマザーは実際自分がやっていてもすごく大変でした。子どもができると諦めなければならないことも多く、子供の存在を手放しで喜べない社会の雰囲気が嫌でした。

子育てを孤独にやるのではなく、社会でやっていければいいな、というところから、「みんなで子育てをする社会を作りたい」という思いを強くしていきました。そんな折、そんなに思いがあるのなら、なんで自分でやらないのかと夫に背中を押されたんです。自分が何か課題の当事者になることって今までにあまりなくて、だからこそ、子育ての当事者である私がこの課題に向かっていくべきなのではないかと考えるようになり、起業に至りました。

 

24時間、事業(マチルダ)のために全力投球

― その後、どんなことが変わりましたか?

日に日に人生に対する真剣度は上がっていて、1mmも自分の時間を余計なことに使っていない、という充足感があります。

仕事は、法人営業だったのがゼロからの事業立ち上げへとまるっきり変わりました。何が起きても全てが自分の責任、という以前には感じたことのないストレスはすごくかかっているなと思います。ぼーっとしているとどうしてもマチルダのことを考えてしまうので、ストレスを吐き出すように頻繁に読書をするようになりましたね。

以前に比べ、仕事と家庭の切り替えがなくなり、今は24時間ずっとマチルダのことを考えているので、娘と向き合う時間も減ってしまったとは思っています。でも、この選択をしてすごくよかったと思っています。

娘と過ごす時間はマチルダに役立つし、マチルダにかけている時間も、私自身がヘビーユーザーなのでサービスがよくなることは娘のためになっている。家族とマチルダが密接にリンクしているので、やりたくないけどやってる、私でなくてもいいけどやってる、みたいな気持ちがなく、24時間無駄な時間が本当にありません。

多くの繋がりを作るため、更なる覚悟を持って次のステージへ挑戦

― これから、やってみたいことはありますか?

今、まだほぼ一人で活動していて、一人でできることには限りがあると感じています。だから、これからの挑戦としては、いかに多くの人を巻き込んでいくかだと思っています。私の信念は「みんなで子育てをする社会をつくること」なので、多くの人の繋がりを作りたいんですマチルダの活動をもっと仕組み化して、多くの人にリーチしていきたいと思っています。

そのために、いかにチームを作っていくか。起業したときは、私の人生を懸けるという覚悟がありましたが、人の人生も巻き込んでいくというのはまた一段上の覚悟が必要だと感じています。

― ママたちへのメッセージをお願いします。

子育てすると、自分の関心が子どもの人生に向いてしまいがちですが、子どもはある意味放っておいても育つものだと思っています。

偉そうなことは言えませんが、自分の人生を真剣に生きる人が一人でも増えたらおもしろいな、と思います。もう少し知見を得てから、力をつけてから独り立ちしよう、と思っていても、そういうふうに思っているうちに死んだら後悔すると思うんです。

「今」に集中して、生きる。
なんとなく生きていたところから、どうやって生きるかにシフトチェンジすると、人生が楽しくなるなと思っています。

 

わたしと街のつながり

この街とのかかわりは?
娘を妊娠しているときから住んでいます。たまたま当時探していた物件とのご縁があって中央区に住むことになりました。マチルダの活動も中央区でやっているので、仕事も家も中央区ですね。

中央区のハロウィンイベントで、マチルダの試食会をしたとき

この街の好きなところ
住んでいる人形町の付近は下町なので昔からやっている飲食店も多く、美味しいご飯が近所で食べられるのは気に入っています。また、東京駅が近いので交通の便がいいことも魅力です。マチルダの活動を通して、地域で活動している人たちとのつながりが増え、そういう人たちと出会えたというのも好きなところです。
おすすめのスポット
図書館。私が娘とよく行くのは日本橋図書館。きれいで居心地がいい!人形町の甘酒横丁にある森乃園のほうじ茶ソフトクリームはすごく美味しくておすすめです。
 
わたしの子育て

わたしの家族
認可保育園に通うまもなく4歳を迎える娘、夫、私。
起業当初は自分に向けられる時間が減り寂しがっていた娘も、今はすっかり慣れて「一緒にブロックで一回遊んだら仕事していいよ」と言うまでに(笑)。

長女と中央区内の公園にて

子育てで大切にしていること
対等に扱うこと。私自身人にコントロールされることが好きじゃないので、子どもをなるべくコントロールしないようにひとりの人間として対等に接するようにしている。話し合いをすること。娘が何か嫌だと言ったときには、なるべく話して解決する。
子育て生活での失敗談
2歳のイヤイヤ期にすごく怒鳴ってしまったこと。起業したばかりで自分の心の余裕がないときに、娘がずっと泣いているのはすごく辛かった。今は私自身のストレスは当時と変わらない……というより以前より大きくなっているけれど、娘が成長して理不尽な怒りをぶつけてくることは少なくなったので、私も当時のように怒鳴ることはなくなった

 

■ 経歴 ■ 丸山 由佳(まるやま ゆか)さん
 1990年生まれ。株式会社マチルダ代表。九州大学を卒業後、米国で1年間インターンをした後、(株)ユーザベースに入社し法人営業を担当。育児をしながら働くうち、「みんなで子育てをする社会を作りたい」と思い、マチルダを設立。子育て家庭のためのミールシェアサービスのテスト版を運営中。

―編集後記―

ご夫婦の共通価値観「真剣に生きる」という言葉に真摯に、信念を強く持って活動されている由佳さん。「1mmも自分の時間を余計なことに使っていない、という充足感」という言葉が出てくるのは、純粋にとてもかっこいい!育児中は何かとやらない理由を作りやすいですが、「今」この瞬間をもっと大切に、「真剣に」生きていかねば!と背中を押された気がします。

 

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