和食に欠かすことのできない「だし」。皆さんはどんなものを使っていますか?昆布やかつお節からとる方、だしパックを使う方、だしの素を使う方など様々だと思います。そんな「だし」に関する食材のプロが作った、小さな子どもから安心して食すことのできる「だしパック」を扱うお店を晴海に見つけました!
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晴海に佇む、知る人ぞ知る出汁のプロフェッショナルのお店
家族で晴海をサイクリング中、気になるお店を発見!晴海トリトンスクエアからオリンピックの選手村方面へ延びる通りにある、ローソン中央晴海三丁目店。ここを右折すると、右手にピンク(ベージュ?)のビルが見えてきます。このビルは「鰹節センター」と呼ばれ、鰹節問屋が集まる場所。この一角に「かつお節」ののぼりが立っている「田中商店」があります。「田中商店」は鰹節類(鰹節、鯖節、鮪節、宗田節等)や煮干しを扱う、だし専門の卸問屋です。
元々は卸専門で、一般のお客さんには販売していなかったそうですが、2020年5月に倉庫や事務所の入っているこの場所を店舗として改装、オープンしたそうです。この日お話を伺った社長さんは中央区内の小学校や豊海にある「豊海おさかなミュージアム」の食育講座の講師などもされたことがあるそうで、だしに関する興味深いお話がたくさん聞けました!
店内にずらりと並ぶこだわりの「だし」商品
店内には昆布や煮干し、しいたけ、かつお節など、だしに必要な素材がずらりと並んでいます。その他に、だしパックやだし醤油キットなどオリジナル商品も置かれています。
ここを訪れる前、わが家は調味料入りのだしパックを使って料理をしていました。何度か健康のことも考え、調味料の入っていないだしパックを使ったこともあったのですが、その度に味に物足りなさを感じていました。その結果、調味料入りのだしパックに落ち着いていたのです。
しかし、社長との会話の中で明らかになるだしパックの秘密の数々……田中商店が「NO添加物!NO調味料!NOエキス!」にこだわっている理由や、今まで調味料の入っていないだしパックに物足りなさを感じていた理由などが良く分かりました。
「だしパック」原材料の真実を知って驚き!
この日私は、何種類かのだしを試飲させてもらいました。田中商店のだしパックは先ほども書いたように調味料が入っていません。今までのだしパックのイメージから、「きっと味が薄くて物足りない感じなんだろうな。」と思いながら、飲んでみると、なんと、それぞれの素材の旨みが十分に感じられ、とっても美味しい!理由は使われている原料にもこだわっているからだそう。市販のだしパックの中には、原材料に「カツオ」とあっても頭や尾の部分、「しいたけ」とあっても軸の部分を利用していることが多く、これらは安価ですが、旨みが少ないそう。これが物足りなさを感じていた原因の1つだったようです。
また、原材料名の記載は入っている量が多い順に記載されているのをご存知ですか?田中商店のだしパックには、かつおのかれぶしを筆頭に、そうだがつおのかれぶしなど、うまみ成分そのものが並んでいました。対して、たまたま家にあった風味調味料の原材料を見てみると……原材料のトップに来ていたのはまさかのぶどう糖と食塩。風味原料となるカツオ節や昆布の粉末は3番手でした。これをみてゾッとしてしまいました。ぜひ、ご家庭で使っているだし商品の原材料を確かめてみてください。
子どもの舌を育てる本物の味を家庭でも気軽に楽しもう!
何種類か試飲させていただき、一番気に入ったいりこと昆布が主体の「こだわりだしパック」を購入。早速、その日の夕飯のお味噌汁に使用しました。すると、いつもは必ず味噌汁の具だけ食べて、汁を残す次男(4歳)が、「今日のお汁美味しいね」と言って、汁まで完食!!子どもの舌は鋭いんだなと実感しました。
離乳食初期でも使うことのできる、かつお節や昆布のだし。私も長男が離乳食を始めた頃、舌の敏感な小さな子どもだから!と張り切ってかつお節や昆布からだしを取りました。しかし、面倒くさがり屋の私に続くわけもなく……しかし、田中商店のだしパックなら素材の味だけを閉じ込めており、小さな子どもにも安心して食べさせることができそう。もちろん、かつお節からだしを取りたいという方にも、こだわりのかつお節が用意されていますよ!!
そして、社内や社長のご自宅でも実践されているという「だしのボトル保存」がとっても便利そうだったのでご紹介します。だしパックや昆布やかつお節からとっただしを、お茶などを入れるボトル容器に保存するだけ。なのですが、一度に多めに作っておけば、だしを取る手間が少なくて済みます。冷蔵庫で1週間ほどは保存が効くそうです。余りそうだったらお味噌汁やおうどんの汁に使えば残してしまう心配はなさそうだし、今度わが家でも実践してみよう!
かつお節の味や旨みは発酵と熟成で増す!
実は、私たちがスーパーで目にしているかつおの削り節のほとんどは「荒節(あらぶし)」というものを削ったもので、「花かつお」として売られているものもその一つです。「荒節」はかつおを燻(いぶ)して乾燥させて作ります。これに対して、田中商店のだしパックにも使用されている「かつおのかれぶし」のように「枯節(かれぶし)」と呼ばれるものがあります。「枯節」とは、「荒節」の表面を整えたうえで、カビ付けと、天日干しを繰り返すことで、発酵・熟成をさせたもの。この作業の繰り返しにより、魚臭さがなくなり、うま味成分が増えていくそうです。
店舗の外ではかつお節の天日干しが行われていることも。2021年2月に再訪した際に、店舗の外で天日干しが行われていました。天日干しした日数や、その際の気候などで、色やカビの付き方が変わるそうで、下の写真を見ていただくと、違いが良く分かると思います。卸す企業の希望に合わせてこの作業を行っているそうで、強いこだわりが感じられます。
かつおの削り節の香りと旨みに驚き!
私は、かつおの削り節の中から「極みけずり」を購入。こちらはかつおの枯節を削ったもので、袋を開けた時の香りが今まで購入していたかつお節と全然違いビックリ!口に入れると、口中に旨みが広がります。わが家ではこれを白いご飯の上に乗せ、わさびとお醤油を少し垂らして食べるのがブームになりました。そのくらい旨みが強くて、美味しいんです!
この日、「かつお節削ってみる?」と声を掛けていただき、息子たちはかつお節削りに初挑戦!昔ながらのかつお節削り器を使うこの体験。社長が削ると簡単そうに見えますが、力の入れ加減や角度など、実際にやってみると難しい!!でも、できあがった削りたてのかつお節からは良い香りが。息子たちはその日の夕飯時に、自分たちの削ったかつお節を白いご飯にかけて嬉しそうに食べていました。かつお節削り体験は以前は毎週土曜日に開催していましたが、現在は(2021年3月)基本的にはお休み中のようです。気になる方は店舗のスタッフさんに相談してみてください。
化学調味料などを使った食品を食べると、子どもたちの舌はピリピリすることがあるそうです。今まで様々なものを食べてきた大人は感じることが少なくなっている感覚ですが、子どもたちの舌は敏感なんですね。そんな子どもたちが成長する際に、少しでも健康に配慮した食品を食べさせたいと願う親にとって、「田中商店」の商品は非常にありがたい存在でした!ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか?
(2020年11月訪問)
ショップデータ
店名 | 田中商店 |
公式HP | オフィシャル(公式)サイトへ |
住所・地図 | 中央区晴海 3-4-9 鰹節センター(map) |
アクセス | 都営大江戸線「勝どき駅」A3b出口、A4b出口から徒歩8分 |
電話番号 | 03-3533-2333 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 日曜・祝日 |
※2021年3月現在の情報です。