インタビュー|子どもたちとママの笑顔を増やしたい。そのために、「私ができること」を模索し続ける〜 宮田 真樹子さん

子どもたちとママの笑顔を増やしたい。
そのために、「私ができること」を模索し続ける

脱毛専門・美肌サロン Pure Skin オーナー/宮田 真樹子(みやた まきこ)さん

親子で通える女性専用、ママと子どもの医療機関提携脱毛サロン「脱毛専門・美肌サロン Pure Skin」を運営する宮田 真樹子さん。医療業界に20年以上勤務し、日本で初めて美容製剤ヒアルロン酸を輸入、という経歴をお持ちです。「もっと多くのお子さんやママの役に立ちたいし、私にできることは何か?を常に模索していきたいですね。」と話す真樹子さん。人生の転機にどう向き合い、どんな変化があったのか。また、今後やりたいことについて伺いました。

 

スウェーデンの親子関係に感銘を受け、いつか子どものための事業をしたいという想いを抱くように

― あなたにとっての人生の転機は?

元々、学生の頃から海外と関わる仕事をしてみたいという気持ちがありました。そして縁あって、病気治療の薬から美容医療の薬剤まで取り扱うスウェーデンの製薬会社に勤務することに。私は営業で、美容皮膚科や大学などへ全国を駆け回っていました。MR(医薬情報担当者)ではなく一般の営業職で薬剤の専門家ではなかったものの、勤務年数を重ねるごとに薬や美容医療の知識が増えていきましたね。

今でこそ「ヒアルロン酸」は、美容に効果があるという認識をお持ちの方が増えてきたと思います。けれど私が勤務していた1998年頃は、日本ではヒアルロン酸は病気や怪我の治療の分野での注入医療として使用されていました。美容の分野でヒアルロン酸は国内ではまだ使用されていなかったのですが、美容医療業界で著名な先生が「ヒアルロン酸は皮膚の健やかさには欠かせないものに違いない。だから、どうしても輸入したい!」と、熱意を持ってお話しされたんです。そこで、私は勤務先の製薬会社で美容医療業界でのヒアルロン酸の輸入を担当することになりました。

輸入販売の許可を得るために厚生労働省に何度も通い、1年ほど経過した後にようやく輸入することができるようになりました。

製薬会社で着実に仕事の実績を積んだものの、その間いくつか大病を患いました。そして、「薬だけでは健康にはなれない」ということに気付いたことから、退職するに至りました。

結婚もしていて子どもを授かりたいという想いもありましたから、余計に食の大切さを痛感し、発酵食や栄養、薬膳の勉強をするように。また、夫の仕事を手伝いつつ、自分のできる範囲で薬膳を人に教える仕事を続けてきました。同時に不妊治療もおこなってきました。

転機のきっかけは、45歳の時に10年間続けてきた不妊治療を終えたことです。45歳までは頑張ろうと決めていたので、誕生日を迎えた時に「もうやり残したことはないな」と心がフッと軽くなりました。やりきったからこそ、今仕事でお子さんと接していても辛くはないんです。心は軽くなったものの、「これからどうやって生きて行こうかな?」と改めて自分の人生について考えるようになりました。

考えるにつれて、20代の時に2つの夢を持っていたことを思い出しました。「スウェーデンの家庭のように子育てがしたい」と「いつか子どものための事業がしたい」という夢です。

スウェーデンの製薬会社に務めていた時によく見かけていた、大使館に住むスウェーデンのご家族がとても印象的でした。オフィスがスウェーデン大使館内にあったので、スウェーデンの家族を直接見る機会が多かったのです。スウェーデンでは、生まれた瞬間から親の価値観と子どもの価値観は別である、という考えがあっての子育てをします。そういう背景があるから、子どもは物怖じせず自分の意見を大人に伝えられるし、大人も子どもの意見をしっかり受け止めている。その親子関係がとても素敵だったので、自分で子育てをするならこういう風に子どもと接したいと思っていました。

これは私が子どもの頃の経験に基づく考えですが、日本では親が子どもの将来の方向性について、良かれと思って口を出してしまうことが多い気がします。私自身は子どもを持つことは叶わなかったけれど、不妊治療を終えて新たに何をしようと考えた時、日本の子どもたちが自由に発言できる場所作りをしたい、子どものために何か事業をしたいと考えるようになりました。

 

 

転機を経て、「これからどうやって生きて行こうかな」と、改めて自分の人生を考えるように。そのために、私がスタートさせたこと。

― その後、どんなことが変わりましたか?

親戚の子や周りのお子さんたちが、体毛について悩む声を聞くようになりました。同時期に、7歳から脱毛可能な脱毛器を美容医療機器の展示会で発見。日本製なので日本人の肌に適していました。子どもは大人に比べると痛みを感じやすいだけでなく、痛いことを素直に伝えられないことがあります。この脱毛器は「高出力で無痛脱毛」が可能だったんです。これなら安心してママとお子さんに通ってもらえるのでは、という考えに至り、2年前にママと子どもの脱毛サロン「脱毛専門・美肌サロン Pure Skin」をオープンしました。

ママからの質問で多いのが、「子どもが第二次性徴を迎えてからの方が良いでしょうか?」というものですね。機械での脱毛がホルモンに影響したり、肌の奥まで影響したりすることはないので、お子さんが体毛を気にするようになったタイミングがベストかと思います。

お子さんが自分で「脱毛サロンに行ってみたい」と発信してくれると良いですが、身体の悩みは簡単に伝えることができないかもしれません。私のサロンに来てくださるママたちは、脱毛後、ズボンしかはかなかった女の子がスカートをはくようになった、と笑顔で教えてくれた方もいます。そんな報告を聞くと、私も心から嬉しいです。

「子どもが勉強中に毛を抜いているのを見た」「お風呂でこっそり剃刀(かみそり)を使っているのがわかった」といった行動から気付いた、というお話もありました。あとは、「自分が子どもの時に体毛で苦労をしたから、子どもには悩んでほしくない」という想いをお持ちの方もいます。サロンではお子さんやママたちとお話する機会が多いので、とても充実していますね。

転機を迎えてからは、自分の心に正直になって無理をしないようになりました。本当はやりたくなかったけど、無理をして仕事をしてしまったことで病気になってしまった経験もありますので。心の状態を大切にして、疲れを感じたら休むようにしています。

今は、自分を一番大切にしていると言えますね。
私はお客様に対して、いつも自然な笑顔でいたい。そして、お子さんやママにはリラックスしていただきたい。そのために自分を一番大切にしています。落ち込むことがあっても、自分を大切にできていることで感情が左右されることなく、落ち着いて笑顔で対応ができています。またプライベートでも同様です。

ワガママになってはいけないけれど、自分の心に負担をかけないような方法を考えるようにしています。例を出すと、1日3食作るのって本当に大変ですよね。そういう時こそ、どうやったら苦労せずにご飯作りができるのかを考えます。私は保存発酵食が得意なので、ストックしておいたものでサッと作るようにしています。食事のたびに、丁寧に作らなくてもいいんですよ。部屋も毎日きれいじゃなくていいと思っていますし(笑)。理想は高すぎない方が良いと思います!

 

大切なご家族のために頑張るのも素敵だけど、自分をいたわる時間を持つことも大切

― これから、やってみたいことはありますか?

もっと多くのお子さんやママのお役に立ちたいと思っています。「私にできることは何か?」ということを常に模索していきたいです。
絶賛反抗期中のお子さんと一緒にサロンへいらっしゃるママが、「帰りの電車では脱毛の話で盛り上がり、子どもと楽しくおしゃべりをした」と嬉しそうに報告してくれたのは印象的でしたね!

脱毛サロンでママとお子さんのサポートを継続していくのはもちろん、食育をもっと伝えていきたいです。お子さん自身が「食べることって楽しい!」「料理を作ってみたい!」と思えるように、微力ながら活動をしたいと思っています。いつかはお子さん向けの簡単な料理教室も開催して、親子がもっと仲良くなれる、そんなワークショップができたらいいですね。

― ママたちへのメッセージをお願いします。

私には子どもがおりませんが、理想の子育ては「スウェーデンの家族でおこなっている子育て法」にありました。その子育て法では、まずはママが自分のことを一番に考えて、子どもと親がお互いに育てあうことができるというものでした。

昔から家事・育児は女性の仕事でしたが、女性が社会進出し、近年では夫と分担できる家庭も増えました。それでもやはり、近年もママは子育てに家事、お仕事と、毎日目まぐるしく過ごしていますよね。どうしても家族が優先になってしまい、自分の時間を持つことが後回しになっている状況です。大切なご家族のために頑張るのも素敵ですが、自分をいたわる時間を持ったり、楽しいと思えることを試したり、時には愚痴を言ったりするのもいいかもしれません。

だからこそ、「ご自身が結婚前にやりたかったこと」「小さい頃に夢見ていたこと」を思い出して、改めてチャレンジするのはいかがでしょうか?
私自身は、「私に会った人が笑顔になってほしい」というのが人生のテーマですし、小さい頃からの夢でした。その想いを仕事で役立てたいと考えています。
夢にチャレンジすることの中に、ママが自分自身を大切にできるヒントが隠されていると思います!

 

わたしと街のつながり

中央区とのかかわりは?
中央区に職場(稼業11年、自分のサロン2年)と住まい(1年)があります。

日本橋高島屋で友人たちとランチ

この街の好きなところ
働いている人にとって、とても住みやすい街。特に日本橋エリアですね。昔、日本橋は日本経済の中心だったという歴史に心が引かれます。街並みがきれいな中にも下町感も残っていて好きです。
おすすめのスポット
HAMACHO HOTEL TOKYO(浜町ホテル 東京)。雰囲気が好きでよく行きます。あとは、築地。午後3時ぐらいになると、お寿司屋さんで安く食べられます。薬膳講師をしているので、食材を見ているだけでわくわくします。

 

■ 経歴 ■ 宮田 真樹子(みやた まきこ)さん
 病気治療の薬から美容医療の薬剤まで取り扱う、スウェーデンの製薬会社に勤務。ヒアルロン酸「ジュビダーム」を2014年にヒアルロン酸軟組織注入材として、日本で初めて厚生労働省の認可を得るために尽力。その後、薬膳と発酵食の講師、クリニックでの食カウンセリングを10年間行っている。2022年に、日本製脱毛器を使用し、安全に7歳の子どもから大人まで通える「脱毛専門・美肌サロン Pure Skin」をオープン。また過敏性腸症候群を自力で克服した経験を活かし、食から作りだす心身の「美」と「健康」で美肌薬膳や発酵食づくり、栄養講座、中央区認定保育園への食育なども実施。東京都で美容サロン開業向けセミナー開催実績もあり。

脱毛専門・美肌サロン Pure Skin
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―編集後記―

「小さい頃から、人を笑顔にすることが好きだった。」と、お話ししてくださった真樹子さん。インタビュー中も「真樹子さんの笑顔に照らされている」というくらい、眩しい微笑みをこちらに向けてくださいました。子育てに夢中になると、子どもの人生を自分の人生と混同しがちになるのかもしれません。子どもの人生なのに、自分の人生のように考えたり、思い通りにならないことにイライラしてしまったり。真樹子さんとのインタビューでは、そんな気付きもありました。
真樹子さんが教えてくれた「子どもの意見に耳を傾けること」を実践して、子どもの関係を見つめ直したいです!

 

2025年1月取材