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インタビュー|ピンチ到来。「やっちゃえ!」で一歩踏み出したら、世界が広がった 〜 小澤 舞子さん


ピンチ到来。「やっちゃえ!」で一歩踏み出したら、世界が広がった

Dear mom清澄白河店 店長・骨盤セラピスト/小澤 舞子さん

舞子さんは、2人の女の子のママ。現在は託児付きの骨盤ケアサロン「Dear mom(ディア・マム)清澄白河店」店長として、多くの妊娠中・産後ママ達の心身を癒やしています。そんな彼女の人生の転機はどのように訪れ、どんな変化があったのか、また今後やりたいことについてお話を伺いました。


異業種から骨盤セラピストに転身。大変なときに、転機はやってくる

― あなたにとっての人生の転機は?

転機は2回あり、1回目は第一子の育休を終え職場復帰したタイミングで退職をしたこと、2回目は第二子が未熟児で生まれたことです。

第一子の育休が終わり、職場復帰のための上司との面談でのこと。受付事務の仕事をしていたため、遅番もあるシフト制でした。小さな子どもを育てるため、早番のみにしてもらえないか打診をしたところ、難色を示されてしまいました。上司からはさらに「遅番に入るために、ご家族と(体制を)調整してきてほしい」と……。組織にママ社員がおらず、仕事の特性上理解はできるものの、それはしたくなかった。

この職場で働くのは難しいかな、と思い始めていたある日のことです。妊娠前から通っていた骨盤サロンの施術中にオーナーセラピストさんへ愚痴ったところ、「だったらうちで働く?」と。

当時彼女のサロンは、事業拡大のタイミングで新しい店舗を増やそうとしていたところでした。スクールに通ってセラピストとして技術を習得する必要はあるけれど、チャンスだと思いました。あの頃私は受付事務の仕事にやりがいを見出せておらず、単にお金のために働いていたのだと思います。当時の心境としては、「今が辞めるタイミングだ」という感じ。お客さんとして接する中でオーナーの人柄も知っており信頼していたので、会社を辞める決断ができました。

そしてスクールを卒業し、セラピストとして充実した毎日を送っていました。やがて第二子を妊娠。経過も順調で、仕事も自分のペースで続けていた矢先、妊娠6カ月目の21週で破水してしまいました。即入院し、予定日より3ヶ月も早い25週で次女を出産。534gの早産児だったので赤ちゃんはその後半年の間入院することになりました。ずっと保育器の中に入り、大きくなって体調が安定するまでは手術を何度も行いました。 NICU(新生児集中治療室)での日々の面会、そして診療に関する様々な選択を迫られたり、病院から容態急変の連絡が来るのではないかと不安な気持ちで過ごしたりと、本当に落ち着かない毎日が続きました。

辛い時期でしたが「ママとして、子どものために自分ができることは何か」という思いが一層強くなりました。また育休中でしたが勤務先には状況を定期的に共有していたので、会えなくても自分をわかってくれている仲間とつながっていることに救われました。

その後環境を変えて心機一転したくて引っ越しをしたのですが、当時の職場から離れてしまったことで、通勤時間がネックに。2人育児、かつ退院した娘のケアをしながらの大変な状況ではありましたが、仕事を続けたいという私の気持ちをオーナーは尊重してくれて、自宅近くに新たな店舗を作るか、出張メインで働くかなど一緒に検討してくれました。

ある時、自宅からアクセスしやすい私の実家の一階のスペースが空いていることを思い出しました。施術に必要なベッド1台と託児スペースならいける、新しい店舗として使えるのではないか……と思いオーナーに相談したところ、なんと「やってみなよ」と言ってくれたのです。

どんな状況も障壁にはしない。やりたいことが実現するかは自分次第

― その後、どんなことが変わりましたか?

現在は実家の1階で骨盤ケアサロン「Dear mom」の清澄白河店をオープンし、店長として忙しいですが楽しい日々を過ごしています。生まれ育った街で仕事をしていることが不思議ですし、オープンしなければなかった出会いにご縁を感じています。

また子どもが小さいから、未熟児だから大変だし……と諦めたらそこまでだったと思います。現状を良くするために、もんもんと考えずに「やっちゃえ!」と一歩踏み出すことの大切さを改めて実感しました。やりたいことに焦点を当てれば、すべきことはシンプル。結果自分を取り巻く世界や自身の考え方が広がりました。

第二子の出産では自分にそんなことが起こるなんて、という驚きがとても大きかったです。

普通に妊娠・出産するのは当たり前ではないということを、身をもって実感しました。ママの心境や環境は人によって違いますよね。楽しいことも多いけれど、子育てが大変でしんどいと感じる人もいるでしょう。それぞれ状況は違うよなあ……と改めて思いました。

セラピストとしては、一人ひとりの気持ちに寄り添い、体だけではなく、心身トータルのサポートをしていきたいです。子育てのこと、家庭でのこと、仕事のこと……気軽に相談できる存在になれたらいいと思っています。大したアドバイスはできないけれど、誰かに話を聞いてもらうだけで楽になることも、あるのではないでしょうか。

Dear mom他店舗の店長たちと

ママが笑顔で子育てできるように、居場所を作っていきたい

― これから、やってみたいことはありますか?

オープンしたてなので、ママ達にサロンを知ってもらうことが課題です。

ここではママが赤ちゃんと離れて施術を受けることができるので「託児付きに感動しました」との声を頂きます。特に、コロナの影響で赤ちゃん連れでお出かけできずに孤独を感じていたママが、「骨盤ケアだけでなく、息抜きできる場所が増えた」と言ってくれることがとても嬉しいです。

「ママが笑顔で子育てしていく」ために、ママ達がほっとできる居場所を仲間と一緒に作っていきたいです。

― ママたちへのメッセージをお願いします。

私も子育て真っ只中のママだから、不安な気持ちに共感します。「ママでも自由に」が私達 Dear mom のコンセプトです。

ママだからと何かを諦めたりする必要はない。何かやりたい!と思っていたら諦めないで一歩踏みだしてほしいです。

私達ができることは一緒に悩んで応援していきたいので、ぜひ体のこと、子育てのことご相談くださいね。

わたしと街のつながり

この街とのかかわりは?

江東区の五の橋産婦人科で生まれて、清澄白河・住吉エリアで育ちました。
2021年1月にオープンしたDear mom清澄白河店は、私の実家の1階の空きスペースを借りています。地元である慣れ親しんだ町でこうして地域のママ達の役に立てることができて、とても幸せです!

大横川沿いをお散歩

この街の好きなところ
下町情緒が感じられるところが好きです。またおしゃれなカフェやお店も増えてきているので嬉しいです
おすすめのスポット
木場公園は広くて緑豊かな公園で昔から好きなスポット。また大横川や小名木川の川辺沿いはお気に入りの散歩コースで、こちらもおすすめです。
わたしの子育て

わたしの家族
夫、私、5歳・2歳の女の子(保育園児)、猫。
長女は少し天然なところがありますが、次女が生まれてからはしっかり者で面倒見のいいお姉さんになりました。2年経った今ではすっかり小さなお母さんになり、頼もしい存在です。
次女は予定日より3ヶ月も早く生まれてきた早産児です。25週534gで出産し、生まれてから半年間はNICU・GCU(新生児回復期治療室)に入院していました。2歳になった現在、発達や発育では生まれ月齢の成長曲線に追いついていませんが、とてもやんちゃ娘で元気にすくすく育っています。

子育てで大切にしていること
笑顔を大切にしています。家族みんなで明るく笑顔で過ごせるように。完璧を求めない、頑張りすぎない。
そして私自身がやりたいことをやって、健康であること。これが一番なので、いつもポジティブに♪
子育て生活での失敗談
長女の初めての離乳食。10倍粥を作ってあげました。食べさせた後、食器類を洗おうとしたところお粥をなめらかにすり潰すために使った裏ごし容器の外側に、潰れたお粥がびっしりくっついていました!本来あげるべきだったお粥はそのこびりついていたお粥で……彼女の初離乳食はただのお粥の汁で終わりました。笑。

 

■ 経歴 ■ 小澤 舞子さん

1985年江東区五の橋産婦人科で生まれる。
専門学校卒業後はディズニーキャスト、エステティシャン、ジュエリー販売と様々なキャリアを積む。その後2015年の第一子出産後まで勤務していた受付事務を退職、スクールにて骨盤ケアの技術を習得し2017年に骨盤ケアセラピストに。現在は2021年1月にオープンした「Dear mom清澄白河店」にて、店長として店舗運営を任されている。
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―編集後記―

小さなお子さんがいながら異業種への転職、スクールで勉強する、新店舗を立ち上げる……傍からみたら大きな・勇気あるチャレンジですが、舞子さんはそれらを事もなげにやっているように語ります。舞台裏ではたくさんの葛藤や苦労があったんだろうなと推察しますが、彼女は常に前を向いているんだと感じました。心から「ママたちのために」と願ってお仕事されている舞子さん。産前産後のママが心も体も癒やされる場所があることが、もっともっと認知されていきますように

 

 

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